■ 2009.07.22奇跡の皆既日食 at 烏鎮 ■
DATE :2009/07/22 
 雨雲の去来する中,奇跡の第2接触が始まる
PLACE:中国 烏鎮
INSTRUMENTS:オリンパスE330+ED70-300,架台VixenGPE
MEDIA:CCD (撮影データは画像内に記載,以下同じ)
 朝から雨が降り続き,無情にも第1接触は雨宿りのため何も出来ず。9時ごろ雨の合間を縫って池のほとりに赤道儀をセッティングしたが,降ったりやんだりで体はびしょ濡れ,でも機材は何とかカバーしていたが,電源を繋げない,Nikonも取り付けられない。
 第2接触直前,雲間から大きく欠けた太陽が顔を出し,望遠鏡(Borg76ED)は諦めて,E330を手持ちで架台に押し当てて撮影を開始した。


 濃い雨雲が流れて太陽を隠したり,うす雲を通して見えたりで露出がなかなか合わない。
 予定ではND400×2枚で1/1000が適正のはず。
 ND400を1枚にして,しかも1/125秒露出で何とか写っている。かなり雲のフィルタが効いているようだ。
 これもカメラを固定していないため方角が不安定



 ここからカメラを赤道儀に固定したのでほぼ画面の左が北,上が西方向。



 フィルタは,ND400×1枚。



 第2接触まであと20秒!!


 第2接触直前!!
 ベイリービーズだ!!

 フィルタを外したか雲のフィルターで撮影したのか記憶になく不明。

 皆既突入直後,雲が太陽を遮り,あたりは急激に暗くなった。カメラのコマンドダイアルが見えないほど。
 この太陽が隠れていた間,Richo GX100をビデオモードにセットして天頂から東天の記録を開始。うまくいけば雲に映った本影錐が記録できるか?

 来た!!という歓声が聞こえる。
 再び姿を見せた太陽は,黒い太陽が輝く内部コロナに包まれていた。

  美しい!!

 雲を通しているのでとても外部コロナは見えないが,実に美しい!


 雲のせいか辺りは真っ暗に近い。薄明が終わりかける頃の暗さだ。

  多目の露出で,かろうじてプロミネンスが薄っすらと写っている。太陽の右上辺りに2箇所。

 第3接触まであと35秒,辺りは徐々に明るくなってきた。本影錐の濃い部分はもう通り過ぎたのだろう。

 携帯にセットしたアラームが鳴り出し,ペールギュントの朝が第3接触30秒前を告げた。


 いきなり第3接触は始まった。カメラのファインダー越しに黒い太陽の上辺が赤く染まったと思ったらいきなりダイアモンドリングが見え,辺りは大歓声に包まれた。

 最大のシャッターチャンスを逃し,露出も間違ってしまったが夢中でシャッターを切った。


 復活した太陽は,まだまだ細い!

 しかし十分眩しく,ND400フィルタを1枚再セットする。


 本来なら,第3接触以後は,5分間ピッチで規則的に撮影を続ける予定だったが,いつ消えるともわからない太陽をしばらく追い続けた。


 辺りには,すべて終わったような雰囲気の話し声が聞こえる。
 私は,第4接触まで追いかけたいのに!!


 再び濃い雲が流れてきた。

 雲を突き破って輝く最後の太陽。
 完全な復活を見ることなく,今回の最後のショットとなった。
 これ以後,日本に帰るまで太陽を見ることはなかった。帰りのバスに乗り込む頃にはまた激しく雨が降り出して来た。

 太陽と,月と,我々のいる烏鎮の間の厚い雲のほんのわずかな隙間が一直線に重なる奇跡によってコロナに包まれた黒い太陽が私たちの目の前に現れ,そしてダイアモンドの輝きを見せたあと厚い雲にまた隠されていった。

 近くにいた人たちと写真を見せ合い,妙な脱力感に包まれて撤収を始めるのでした。
  リベンジに燃えて・・・・
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