正確な時刻を得る方法として,以前はJJY短波放送が利用できたが,長波JJYの普及に伴って2001年3月に廃止された。長波JJYは,電波時計で受信できるが0.5秒位の誤差が含まれる。長時間撮影の時刻記録には十分な精度であるが,食現象の記録には精度不足。
GPSを利用すると非常に正確な時刻が得られるが,観測でどう記録するかも大きな問題だ。
悩んでいた矢先,せんだい宇宙館の速水勉氏,生石高原天文台の下代博之氏,国立天文台の相馬充氏によるGHS時計が天文ガイドの2001年3月号で紹介され,キットが領布されたので一も二も無くこれに飛びついた。確かキットが1万4〜5千円,GPS受信機ジュピターが2万円くらいだったと記憶している。GPS受信機が品切れで入手に2ヶ月ほどかかったが,キットの基板(パターンエッチング済み)に部品を半田付けしたり,ケースを物色したりで工作を楽しんだあと,初めてUTを表示したときは感激ものでした。
以来,観測には毎回持って行っており,正確な時刻を記録したいときは,冷却CCDカメラのときはRS232C経由でフリーソフト「さとくん」(瀬戸口貴司さん作)でPC内部時計を校正してから撮像したり,デジタルカメラでの撮影のときは,撮影の前後にGHS時計のディスプレイを撮影し,1/10秒の精度で記録が出来るようになりました。オーディオ信号も取り出せるためビデオ撮影のときは一秒刻みの信号が記録できます。
GHS時計の内部。左上のアルミカバーに収まった四角い箱がGPS受信機ジュピター。 | GHS時計の運用に必要なパーツ類(バッテリー12V除く)。GHS時計の左がアンテナ,その下がシガーソケット付き電源コード,その下がビデオ用オーディオケーブル,その右がRS232CケーブルとUSB変換ケーブル。 |
U字形ブラケットをたたんで格納状態。 | U字型ブラケットを開き,スタンドとして使用した状態。 |